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印刷物ができるしくみ

更新日:2020年12月20日


OVERVIEW

印刷物は、書籍や雑誌といった情報媒体だけでなく、道案内の標識やプリント柄の洋服、紙幣や切手もその一つであり、日常生活には欠かせない存在となっている。生産工程を経て大量に作られる工業製品であることから、工程の後戻りが出来ない性質を持つため、途中段階の品質チェックが重要な役割を果たす。

ここでは印刷工程を概観し、どのようなプロセスを経て印刷物が作られるのかを理解しよう。


■身近な生産物としての印刷

■印刷工程の流れ

 
印刷発注から納品の工程

■身近な生産物としての印刷

印刷業は受注産業と呼ばれているとおり、何らかの発注行為によって、すべての工程がスタートする。それでは発注を行うのはどのような人だろうか?

広く考えてみると、一定量の複製物を入手したいが、その技術や設備を持たないすべての人ということができる。たとえば出版業であれば、原稿があっても流通できる本の形態にする必要があるため、印刷業の力が求められる。一般企業であれば、自社の製品カタログを顧客に配布したり、会社案内を作りたい、というシーンで印刷物の発注が行われる。個人の場合でも、年賀状を親族や知人に送りたいというシーンなどで、印刷物の発注は行われている。


■コミュニケーションの必要性

印刷物のヒアリング、5W2H

一方、発注者が印刷の専門的な知識を持たない場合、どのような物が欲しいかというイメージを聞き取り、印刷物の仕様に落とし込んでいく作業が必要となる。それを担うのは、印刷所の営業マンや、デザイン制作会社の担当者だ。どんな印刷物を作るにも、複製の元となる「刷版」を正しくつくることが求められる。初期段階で確実な印刷の仕様を固めておくことが、第一歩となる。印刷物の目的を整理するため、いわゆる5W1HにHow muchを加えた

5W2Hで整理をしてみよう。

いつ(When)、どこで(Where)、だれに(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)、どのくらい(How much)

例として右図では、ある出版社が書籍の宣伝をするため、イベント会場で配布するためのチラシを作ることを想定して5W2Hを当てはめてみた。最終のイメージを明確にしておくことで、万が一、誤ったデータが作られていた場合でも、制作の途中で気がつく場合もあるだろう。梱包の仕方や運び込みの方法なと、発注者が気が付きにくい事項への配慮も可能になる。


■予算とスケジュールの調整

受注側としては、納期などのスケジュールが定義されなければ、作業の計画を立てることができない。用紙の手配、制作スタッフの決定、レイアウトデザイン、印刷のスケジューリング、配送業者の手配、といった諸作業の元になるのがこれらのヒアリングである。実際には、予算と納期とのバランスを見て、条件を見ながら双方で調整を行っていく。両面カラーではコストが高ければ、片面はモノクロにしたり、サイズを変更することも考えられる。以前に作成したレイアウトデザインのフォーマットを流用できるのであれば、制作コストを下げられるかもしれない。もし発注側でデザインやDTPを受け持つのであれば、印刷だけを依頼することで、予算やスケジュールの調整がつくことも考えられる。


 

■印刷工程の流れ

ここでは印刷の工程をより詳しく見ていくことで、

どのようなプロセスを経て仕上がっていくのかを理解しよう。

 

■用紙の選択

印刷工程は、用途に応じた用紙を決めることから始まる。印刷に使われる紙は、日常生活で目にするサイズとは違うものだ。用紙は数トンもあるロール状の巻取り用紙や、規定サイズにカットされた平判用紙に大別され、用途によって使い分けることになる。数ミクロンの厚みの違いが、製本をした時には大きな差になり、重さも異なる。写真を美しく表現するには、塗料を表面に塗った塗工紙が選ばれ、逆に書籍など文字を読みやすくするには表面加工

をしていない非塗工紙が適している。


■インキの選択

一般的なカラー印刷はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)4色のインキを使い、それぞれを別の版で紙に転写する。それぞれの色の網点が非常に細かいことから、人の目には色が混じって感じられ、フルカラーの印刷として認知される。4色のプロセスカラーではなく、事前に色を調合して作るインキを特色と呼ぶ。プロセス4色の掛けあわせで再現が難しい彩度の高い色や蛍光色、金・銀のメタリック色を表現したい場合、それ専用の版とインキを用いるため、印刷コストも変わってくる。


■印刷機の選択

新聞社を舞台にしたドラマで、「輪転機止めろ!」というフレーズが使われることがある。輪転機はロール状の巻き取り用紙を使い、高速かつ大量の印刷を行う方式だ。

すぐに止めなければ無駄な印刷物が大量に発生してしまうことも背景にある。

対を成して使われるのが、枚葉機で、ある。一枚ずつカットされている用紙を使うため、

少部数の印刷物に向いている。


■印刷後の加工

紙や印刷機が扱えるサイズは規格化されている。その一方で、発注者が求めるサイズや用途は多様であるため、印刷後に断裁を行って形を整えたり、穴あけ、折り、製本といった加工が必要となる。家庭やオフィスで使われるプリンタでは最初からA4、B5などの規格サイズの用紙を使っているが、印刷では大判の原紙(または原紙を1/2、1/4にカットしたもの)に印刷し、それを仕上がりサイズにカットするという工程によって、大量印刷を効率化している。たとえばA4サイズのチラシなら、8枚分を一度に刷ったり、他の印刷物と面付けして刷るのが一般的だ。


このように、印刷物はいくつもの工程を経て生産されている。どこかでコミュニケーションに問題があると、発注した通りに仕上がらない事故が起きてしまうことになる。

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