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和文書体と欧文書体

更新日:2021年1月3日




OVERVIEW

印刷物の本要素である文字は、適切な大きさと適切な体裁で編まれなければならない。そのためには、和文文字、欧文文字の構造やしくみをマスターしておく必要がある。また、より読みやすい組版を心がけるため、書体(フォント)の選択、文字の大きさ、行間等の設定ポリシーについて基礎的な知識を身につけておくべきである。


■和文文字の基礎知識

■和文書体の種類

■欧文書体の基礎知識



■和文文字の基礎知識

・和文文字の構造と大きさの単位

日本語の文字(和文)は、正方形の仮想ボディの中に字面が設計されている。「仮想ボディ」とは、活版印刷の金属活字の「ボディ」に由来する語で、これが正方形なので、和文は縦組にも横組にも対応できる。仮想ボディの高さ(正方形の辺の長さ)が文字の高さで、文字幅も同じ値になる。この文字の高さ(文字幅)の単位が、「ポイント」(pt、1pt=0.3528mm)あるいは「級」(Q、1Q=0.25mm=1/4mm)で、文字の大きさの表記は、数字にこれらの単位を付して「8pt」「15Q」などと表す。仮想ボディの内側に設計される「字面」(じづ

ら)は、書体によってその大きさが違うが、どの書体でも概ね漢字の字面は大きく、仮名の字面は小さめになっている。


・文字幅を単位とした相対的な単位

文字の大きさをポイント、あるいは級数で絶対値として表す方法とは別に、どんな大きさであっても、仮想ボディ1字分の幅のことを「全角」とし、これを基準に文字幅を表す方法がある。具体的には、

1/2字幅 「半角」「二分」

1/3字幅 「三分」

1/4字幅「四分」

1/8字幅「八分」

などがあり、これらを組み合わせて、

1.5字幅「全角半」

0.75字幅「二分四分」

という言い方も使う。また、

2字幅「二倍」

3字幅 「三倍」…

といった使い方もできる。

これらの表現は文字や記号のあけ方などを指示する際に有用である。


・和文の組版

文章の組版では、適切な文字サイズを選択し、それに応じた適切な字間(字送り)や行問(行送りを設定しなければならない。字間、行間の単位は、文字の大きさをポイントで設定した場合は「ポイント」を使い、級で設定した場合は「歯」を使用する。「歯」(歯数、H)は、写真植字に使われている距離などを表す単位で、1H=30.25mm=1/4mmであり、級(Q)と同値になる。字間は、ある文字の仮想ボディと続く文字の仮想ボディの間の空きのことで、通常は空けたり詰めたりせずに組む(ベタ組)。これに対して、字間を広げる場合は「空け組み」、字間を狭める場合は「詰め組み」と言う。詰め組みには字間を均等に詰める「一律詰め」と、字面の形状に応じて字間を調整して詰める「プロポーショナル詰め」がある。 DTPでは字間の設定は、「字送り」を使う。り合う文字の仮想ボディのセンターライン間の距離のことで、隣り合う文字の大きさが同じであれば「文字の大きさ+字間=字送り」となる。 行間は、ある行と次の行との間の空きのことで、行送りとは、ある行と次の行の上端(縦組の場合は右端)同士、中央同士、欧文ベースライン同士、下端(縦組の場合は左端)同士の距離のことを言う。行送りの基準位置(上記4種類)は、組版ソフトウェアで設定できる。複数行の文字の大きさが同じであれば、「文字の大きさ+行間=行送り」となるが、隣接行の文字の大きさが異なる場合は、行間が一定でも、行送りの基準位置をどのように定めるかによって、行送りの値が変わる。


■和文書体の種類

和文書体は、①明朝系書体、②ゴシック系書体、③デザイン系書体(ディスプレイ書体)、④その他の書体に大きく分けられる。POPな感じを出したい場合にはディスプレイ系書体、風格や伝統的な感じを出すためには楷書体、行書体、隷書体など、TPOに応じた書体を選ぶ。

・明朝体

明朝体は、水平で細い横画は左端がやや太く右端にはウロコ(三角形のでっぱり)があり、縦画が太いという特徴があり、サイズが小さくても潰れにくく読みやすい書体である。日本の印刷物では本文の基本書体として使われている。

・ゴシック体

ゴシック体は、縦画横画の太さの均一さが特徴で、明朝体よりも目立って見えるため、明朝体中心のレイアウトで見出しなどにゴシック体を使用するとインパクトを与えることがで

きる。また、小さくても文字がはっきり読めるため、実用書や雑誌の本文書体として、あるいはキャプションや図版内の文字に使用される。ただし、太めのゴシック体を小さくレイア

ウトする場合は、文字が黒く潰れて読みづらくならないか注意が必要である。

・デザイン書体(ディスプレイ書体)

戦後、写真植字が実用的になり、それに伴って、従来の活字組版に比べて新書体の開発が容易になった。代表的な写真植字機メーカーである写研が長年開催した「タイプフェイスコンテスト」から、「タイポス」「ナール」「ゴナ」「スーボ」などの新書体が登場したが、これらを代表とした新書体を総称して「デザイン書体」と呼ぶ。そのほかの書体については、厳密な分類がなされているわけではないが、概ね以下のような種類に大別できる。

・アンチック体

仮名のみの書体で太く設計されている。ゴシック体の漢字と組み合わせた「ゴチアンチ」の形で漫画の吹き出しなどに使われる。

・丸ゴシック体

ゴシック体同様に縦横の画線の太さが均一で、始筆終筆部分や画線の屈折部が丸くなっている。紙面に柔らかい雰囲気を出したい場合に、見出しなどで使われる。

・楷書体

毛筆で筆画を続けずに一画ずつ離して書く楷書の書体。冠婚葬祭の案内やあらたまった挨拶状、名刺などに使われる。楷書体を元にして変化させた書体として、「宋朝体」(縦組専用)や「教科書体」などがある。

・新聞書体

新聞の限られた紙面にできるだけ多くの文字を入れるため、小さくても読みやすい書体として設計されたもの。仮想ボディは偏平で、特に仮名の字面を大きめにして読みやすさを保っている。縦組専用。

・装飾書体

デザイン書体の一種とも言え、特に広告やPOP用としてつくられた書体で、さまざまなデコレーションが施されている。

・伝統書体

主に毛筆によって書かれてきた文字を印刷書体にしたものを、総称して「伝統書体」と呼ぶ。中国で漢字が形成される過程でつくられた書体、隷書体、草書体、行書体や、歌舞伎文字、寄席文字、相撲文字などが含まれる。


■欧文書体の基礎知識

欧文文字は、和文のような正方形を基準としたものではなく、文字によって高さや幅が異なる。文字の高さは5つの基準線で揃えられており、文字幅は組んだ際に字間が均等に見えるようになっている。これを「プロポーショナル」と言う。

・欧文書体の種類

欧文書体にはさまざまなものがあるが、以下のような種類に分けられる。

①ゴシック:

初期印刷文字を模した書体

②オールドローマン:

ルネサンス期の手書き文字をベースとし、三角形のセリフ(画線の端部にあるでっぱり)が特徴的な書体

③トランジショナル:

オールドローマンからモダンローマンへの過渡期的書体

④モダンローマン:

18~19世紀に流行った、縦画と横画の太さの差が大きく、直線的なセリフが特徴的な書体

⑤エジプシャン:

19世紀に生まれた縦画と横画の太さがほぼ同じで、セリフが強調された書体

⑥20世紀書体~現代書体:

19~20世紀に生まれた現代書体で可読性が良い

⑦サンセリフ:

19~20世紀に生まれた、縦画と横画の太さの差がほとんどなく、セリフがない書体

⑧スクリプト・手書き文字風の書体

⑨ディスプレイ書体…見た目のインパクトを重視したデザイ


・ 欧文書体の選択

書籍の本文書体は、通常は日本語の「明朝体」に相当する「セリフ体」が使われることが多く、文中で強調したい語などは本文書体のイタリック体やボールド体など、「ファミリー」(同一の設計思想でつくられた、太さや文字幅などのバリエーションを持った書体の一群。太さを表す「light」「bold」や、斜体を表す「italic」などの語が添えられる) から選択する。見出しには本文書体のボールド体や、サンセリフ体が使われる。雑誌の本文書体は、セリフ体が多いものの、カジュアルなものを中心にサンセリフ体が使われる場合もある。サンセリフ体は印刷面が黒い印象があるので、行間を広めにする。

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